2014年9月23日火曜日

アメリカで新車を購入またはリースする

今回、3年間乗った中古の2003年式のTOYOTAのRAV4がいろいろと問題が発生してきたため(3ヶ月放置したらノイズが発生するようになった)、RAV4を売って新車のカローラを2年のリース契約した。アメリカのディーラーについてはいろいろと悪いうわさ(押しが強い、ふっかけてくる等)を聞いていたため、高く売りつけられないためにいろいろと事前学習をして購入に臨んだ。その結果、自分的には満足できる契約をすることができた。次回自分が車を購入する際の備考録として、また、これからアメリカで新車を購入またはリースしようという方の参考資料として、今回の経験を記録にまとめる。なお、リース、購入に関わらず共通の事項に関しては、「購入」という表記にする。自分はローンは今回想定していなかったのでローンについては触れない。

【買う車の選定】
まだ買いたい車が決まっていない場合は、ディーラーに行っていろいろ試乗させてもらえばよい。ただし、絶対にその日に契約しないこと。ディーラーは必ずその日中に契約させようとしてくるのできっぱりと断ること。いろいろ言ってきても無視して席を立つことが大事。こっちが客なので遠慮する必要は全くない。気に入らない車の場合は「I don't like it.」とハッキリ伝えること。最後は笑顔で「Thank you. I will think about it at home.」とでもいってそのまま帰ればOK。


【手持ちの車を売って新車を購入する場合】
まず、KBBというサイトで自分の車の現在の価値を調べておく。自分のRAV4は6900ドルくらいであった。そして、CARMAXに行って、見積もりをしてもらう。だいたい30分くらいで1週間有効の見積書をくれる。CARMAXは交渉を受け付けないポリシーで有名なので、CARMAXでは特に交渉はしなかった。結果、自分のRAV4は6000ドルという査定だった。CARMAXの査定はディーラーの査定より高くなることが多く、その場合、ディーラーにCARMAXからの見積書を見せれば同じ価格で買い取ってもらえる。また、売ったディーラーにおいて車を買うことにより、税金が節約できる。具体的には、買う車の価格-売る車の価格にしか税金が掛からなくてすむ。最も高く車を売る方法はcraigslistなどを使った個人売買らしいが、時間も手間もかかるので今回はそこまではしないことにした。

【事前準備】
買う予定の車の適正購入価格を、TruceCar、KBB、Edmundsといったサイトであらかじめ調べておき、一番安い価格を提示したサイトのページを印刷しておく。車の価格はMSRPという名前で表示されていて、商談の際はこれをいくらまで下げられるかを目標にする。サイトで調べた適正価格以上では絶対に買わないこと。通常MSRPにはFreight charge ( もしくは Delivery charge ) が含まれているが、必ず商談の際の値段交渉の前に、ディーラーが言うMSRVにFreight chargeが含まれていることを最初に確認する。

【ディーラーに行く】
まずは目当ての車を見せてもらい、試乗などをさせてもらう。アメリカの場合は、ディーラーの在庫から選んで、それをそのまま購入する形になるので、試乗する車が購入する車になる。なので不具合がないかを念のため試乗で確認する。買う車を決めたら、席についていよいよ商談に入る。いろいろと書類に記入するように言ってくるが、全て断り、「Let's talk about the price first.」とでも言う。相手のペースで話をすすめないことが重要。
商談の流れは以下のとおり。まず、MSRP以外にかかる費用について聞く。通常は、TAX、TAGS、Document Processing Fee($300程度)がかかる。TAXとTAGSは法定費用である。Document Processing Feeもディーラーによって決まっているのでここは交渉の余地はない。その他の費用もあるといわれた場合は必ず説明を求める。納得いかない費用がある場合は、うやむやにしないで、この時点で席を立って家に帰って調べること。遠慮は全く要らない。
その後、MSRPをいくらにできるかの交渉を始める。(ここで決める価格をCap Costという。)必ず向こうはいくらなら買えるのかを聞いてくるので、あらかじめ調べた適正価格の$1000下くらいの金額を言ってみる。するとそれは無理だと言ってくるのでじゃあいくらなら売るのかと聞く。その際、自分は他のディーラーからも見積もりを持っているし(実際には持っていない)、いくつかのサイトで適正価格も調べてあると言う。するとそれを見せろと言って来るので、それは見せられないと拒否し、そちらが可能な限りの最低価格を提示しろと言う。もし提示した価格が他のところの価格より高ければもう商談は終わりだとはっきり伝える。これまでのやりとりはどちらかというとディーラーに「こいつは手ごわいな」と思わせるための戦略である。ディーラーが根負けしたら実際に価格を提示してくる。もし、頑固なディーラーで価格を提示してこないようなら、あらかじめ調べたサイトのプリントを渡し、Can you beat it? と聞きながら渡す。ディーラーはおそらくマネージャーのところに相談に行き、その後、価格を提示してくる。ディーラーが提示してきた価格がサイトの価格より高い場合は、迷わず席を立つこと。これがとても重要。たいていの場合、ディーラーは「ちょっと待て。もっと良い価格を出すから」といってまたマネージャーのところに行き、今度はサイトの価格を下回る価格を提示してくるであろう。
その後、さらに頑張ってもいいかもしれないが、私は個の時点でCap Costについては合意した。今回の場合は、MSRPが$20,670に対して、Cap Costは$18,000にすることができた。(もちろんFreight Charge込みであることを確認)購入の場合はこの時点で商談終了であるが、リースの場合はさらに重要な交渉が待っている。なお、交渉の際は、必ず紙とペンを用意して、経過をメモし、合意事項について確認すること。相手の書く内容を信頼しないこと。

【車を売る】
価格が決まった時点で車の売却の話をする。まず、相手に査定させて、値段がCARMAXの価格より高ければそれで合意する。低い場合はCARMAXの査定証を見せればマッチアップしてくれる。してくれない場合は席を立つこと。そうすれば相手はあわてて査定を上げてくる。

【リースの場合】
ここまで話がまとまった時点で、リースの場合は、ファイナンス担当者との交渉に移る。ディーラー担当者やファイナンス担当者にCongratulationsなどと言われても、まだ買うか決めてないよとはっきり伝えること。向こうはこっちが買わなければならない気にさせるようにいろいろ仕向けてくる。
リース契約は、いろいろなことに気をつけなければならない。まず交渉の最初に、Close-end Leaseであることを確認する。これは2年後の価格は基本的に据え置くリース契約である。Open-end Leaseは2年後の価格がマーケットの状況によって変わる契約であり、避けるべき。ただし、ほとんどのディーラーは基本的にClose-end Leaseなので、これはあくまで確認のためである。また、Gap Insuranceがリース代に含まれているかも確認する。Gap Insuranceについては別サイトで調べていただきたいが、基本的には事故で全損したときや盗まれたときの保険である。
リースの場合に重要な数字は、Acquisition Fee、Cap Cost、Residual Value、Money Factor、Lease Term、Down Payment (頭金)、Minimum Mileageである。Acquisition Feeはリースをする際の手数料で交渉の余地はない。これはファイナンス会社に支払われる。自分の場合は$700であった(結構高い)。Cap Costはこれまでの商談で決めた購入価格。Residual Valueはリース終了後の車の推定価格である。これが高ければ高いほど支払い金額は低くなる。
ただし、Residual Valueもディーラーが決めるのではなく、ファイナンス会社によって決められているので交渉の余地はない。Residual Valueは一般に公開されていないが、こちらのサイト(http://www.cars.com/go/alg/index.jsp)で大体の値を知ることができる。私の場合はサイトで調べた価格が$13,475で実際は$15,481だったので想定していたよりかなり良い条件でリースをすることができた。また、Money Factorも同じサイトで調べることができる。Money Factorは金利のようなもので、2400をかけることで大体の金利に変換できる。Money Factorは自分のクレジットスコアによってファイナンス会社によって決められるので交渉の余地はないが、交渉の最中にわかるので値を聞くこと。Lease Termに関しては2年また3年にすること。それ以上の場合はローンのほうがお得といわれている。Down Paymentはいわゆる頭金であり、多ければ多いほど金利手数料は安くなる。ただし、車が盗まれたり修理不能な状態になった場合、既に支払ったお金は返ってこない(保険があるのでお金を支払う必要はないが。)ので、Down Paymentを低くしておいたほうが、その場合の損失が少なくて済む。自分はDown Paymentを最大限にしてしまったのでこの点は少し後悔。Minimum Mileageは年間の走行距離の限度であり、通常は15,000か12,000から選ぶ。12,000のほうが支払いは低くなるが、Minimum Mileageを超えた分の走行距離に関してペナルティがかかるので注意。
なお、こういった数字は事前に調べるなり自分であらかじめ決めておき、月の支払いがいくらくらいになるかをオンラインのシミュレータなどで見積もっておくこと。想定している金額より高くなってしまった場合は、家に帰って計画を練り直すこと。基本的に交渉の際にこちらから指定できる数字は、Lease term、Down PaymentおよびMinimum Mileageである。ファイナンス担当はこれらの数字を元に月々の支払額を提示してくる。内容に納得したら、必ず画面上で全ての数字が正しく入力されているか確認し、不明瞭な点があれば聞くこと。また、Cap Cost + Tax +Tag Fee + Document Processing Fee + Acquisition Fee - Residual Valueが、Down Payment + Monthly Payment × (Lease年数×12 - 1)と大体一致するかを自分で紙に書いて確認すること。もちろん金利およびGap Insuranceがあるので前者のほうが高くなるが自分で状況を整理するためにも紙に書くこと。
自分はGap Insuranceのことを忘れていて、なんで価格より支払額のほうがこんなに高いんだと文句を言い続け、最終的に席を立って帰ろうとしたら引き止められて$400さらにディスカウントしてくれた。向こうがそれはGap Insuranceだよとちゃんと説明してくれれば納得したのだが、向こうも単にシステムに数字を入れて自動で出てきた数字を伝えているだけなのでリース代がどうやって決まるのかを正確に把握していないようだ。面白いのは自分が部屋を出て行こうとしたらいろいろな人が集まってきて必死に説得され、最後はお偉いさんが出てきて、このお偉いさんに納得できない理由を説明したら$400のディスカウントをくれたこと。
最終的な契約の際は、わからない点をそのままにして契約して後で予想外のお金を取られていたりしていてもサインしてしまったら終わりなので慎重に。聞いても納得できない場合は、家で考えると言って席を立つこと。引き止められても無視。今回は、思ったより高くRAV4が売れたのと、Residual Valueが予想外に高かったことにより、$4800のDown Payment + 月々$35の支払いを2年間の契約で、かつ$1600のお釣りが来たので大満足の契約となった。
なお、リースの場合、自身が加入する自動車保険においてComprehensiveとCollision(車両保険)に加入する必要があり、その際のDeductionの額も指定される。これによって保険料が高くなったり低くなったりするので、あらかじめ調べておくと良い。大手の自動車保険会社ではオンラインで簡単にいくら変動するか調べることができる。


【まとめ】
1.事前の勉強および情報入手が非常に重要。
2.納得できないことがある場合は一回家に帰って調べる
3.価格が折り合わない場合は、席を立つ。そうすると相手は価格を下げてくる。あらかじめ調べた適正価格以上では絶対に買わない。
4.相手のペースにさせない。自分が商談をリードする。
5.交渉の経過を自分で紙にメモし、それをもとに相手との合意事項を確認すること。
6.強気にいくこと。ただし、頭は冷静に。
7.一人で行かない。必ず二人以上で。人数が多いほうが気持ちに余裕が生まれる。重要な決定の前には必ず相談する。

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